任意整理と個人再生の違い
任意整理、個人再生とは、債務整理手続きの1つです。
債務整理手続きにはこれらの他に自己破産があります。
本ホームページでは、任意整理と個人再生の違いについて詳しく解説をしていきます。
◆任意整理、個人再生とは
債務整理手続きのうち、債務そのものを免責させてしまうものが自己破産手続きであり、任意整理と個人再生は債務の額を減らして、返済を容易にするための手続きとなっています。
同じく債務の額を減らす債務整理手続きであっても、一長一短であり、それぞれに細かな特徴の違いがあります。
◆任意整理と個人再生の違い
任意整理と個人再生のそれぞれの違いについて8つの観点から比較をしていきます。
①手続きの利用条件
債務整理手続きにはそれぞれ利用をするための条件と呼ばれるものが存在します。
任意整理の方が簡易的かつ裁判所を介さない手続きであるため、利用するためのハードルが少し低くなっているのが特徴となっています。
【任意整理】
安定した収入があり、今後も返済を継続する意思があること、の2つになります。
【個人再生】
任意整理の条件に加えて、申立てをする段階で破産に準ずる経済状態であり、住宅ローン以外の借金総額が5000万円以下という条件となっています。
②減額できる割合など
任意整理と個人再生は、それぞれ返済額を減らしていくための手続きであるということを説明しました。どちらも同じ内容となっていますが、減額の対象がそれぞれ違っています。
任意整理の場合であれば、将来利息や遅延損害金をカットすることで、元本のみの返済をしていくものとなっているため、利息が膨らんでしまった人向けのものとなっています。
他方で、個人再生の場合は、利息も元本も全て一律に減額をすることによって、大幅に減額を見込める手続きとなっているため、元本が大きくて返済が難しい方向けのものといえるでしょう。
【任意整理】
将来利息等の利息や遅延損害金をカットし、元本を全額返済することとなります。
過払金があれば減額の対象となることもありますが、基本的には債権者との交渉によって変わってきます。
【個人再生】
借金総額によって減額幅が決まっており、返済しなければならない金額は借金総額の10〜20%にまで減額されることもあります。
③手続きと返済にかかる期間
債務整理手続きにはある程度の時間がかかります。
任意整理は簡易な手続きであり、交渉をする債権者が傾向としてそこまで多くないため、最短でも3ヶ月程度となっています。
他方で個人再生の場合であれば、裁判所を介して手続きを行うため、半年程度がかかるようになっており、また多重債務者であれば、それぞれの債権者と交渉をすることとなります。
両者の共通点は、債権者と話し合いを行うことで、返済までの期間を設定する点にあります。
ただし、任意整理の方が緩やかに認められるのに対し、個人再生は原則として3年となっているため、少し厳しめの要件となっている点が特徴です。
【任意整理】
専門家に依頼をすると、依頼から債権者との和解まで3ヶ月から半年ほどが目安となります。
その後3〜5年かけて返済をしていくことになります。
【個人再生】
申立てをしてから返済開始まで半年程度かかります。
その後は原則3年、最長5年で返済をしていきます。
④専門家にかかる費用
任意整理の場合には、債権者との交渉が主な弁護士の業務となるため、そこまで労働力がかかりません。
そのため、弁護士への依頼の中でも比較的安価な額で済ませることができます。
それに対し、個人再生は弁護士にかかる負担が任意整理よりも大きくなっており、裁判所への出向などもあるため、任意整理と比較するとかなりの額が必要となります。
【任意整理】
弁護士や司法書士といった専門家に依頼をする場合、安くて2〜3万円、一般的な相場であれば4〜5万円程度の費用がかかることとなります。
【個人再生】
専門家に依頼をすると、30〜50万円ほどかかることとなります。
マイホームを維持できる住宅ローン特則という手続きをした場合には、これに加えて5〜10万円ほどの費用がかかることとなります。
⑤手元に残せる財産
債務整理手続きというと、家や家の中にある家具など全てに「売約済み」「差押え済み」といったようなシールが貼られて、財産を失ってしまうというようなイメージがあります。
しかし、そうなるのは自己破産手続きの場合のみであり、また自己破産手続きであっても全てのものを差し押さえられて全くの無一文になるというわけではありません。
任意整理や個人再生での個人の財産への扱いは以下のとおりとなっており、ほとんど違いはありません。
【任意整理】
基本的に家電や家具、高価な土地や建物などを所有している場合にそれらを処分しなければならないわけではありません。
ただし、分割やローンで購入しており、完済していない財産については債権者に回収される可能性があります。
【個人再生】
基本的に財産が処分されることはなく、マイホームなども差し押さえられることなく、維持できる仕組みがあります。
⑥保証人への影響
金銭を借りた際に、保証人を設定したのであれば、債務整理をした場合には、保証人が返済を強いられることとなります。
もっともそうなってしまうのは、任意整理や個人再生手続きを済ませてから3〜5年の間に返済をできなくなってしまった場合のみなので、保証人のいる債務であっても、債務整理手続き後にしっかりと返済を継続していれば問題はありません。
【任意整理】
債務整理先を選ぶことができるため、保証人付きの債務を対象から外せば、保証人に影響が及ぶことはありません。
【個人再生】
必ず全ての債務が対象となるため、借金をした本人が返済できない分に関しては、保証人が請求される可能性があります。
⑦信用情報に載る期間
債務整理手続きを行うとブラックリストに載るという話を聞いたことがある方がいらっしゃると思います。
このブラックリストとは、いわゆる信用情報機関のことであり、CIC、JICC、JBAなどがあります。
ブラックリストに掲載がされると、新たにクレジットカードを作成したり、ローンを組んだり、分割払いをすることができなくなる場合があるため、注意が必要です。
【任意整理】
信用情報機関に事故情報が登録されるのは、手続き開始時もしくは、完済から5年程度となっています。
どの時点でカウントが開始されるかは信用情報機関によって異なります。
【個人再生】
信用情報機関に事故情報が登録されるのは、手続き開始時もしくは、完済してから5〜10年程度となっています。
こちらもカウント開始の時期は、信用情報機関によって異なります。
⑧官報への掲載
債務整理手続きを行なった際には官報と国の発行する情報機関紙に氏名や住所が破産者リストとして掲載されることとなります。
もっとも掲載されるのは個人再生と自己破産手続のみとなっています。
その理由としては、この2つは裁判所を介した手続きを行うからです。
【任意整理】
裁判所を介さない手続きなので、官報に掲載されることはありません。
【個人再生】
裁判所に申立てを行う手続きなので、官報に氏名や住所が掲載されます。
もっとも、一般の方が官報を閲覧する機会はなかなかないため、周りの人に官報を介して、個人再生をしたことがバレることはありません。
虎ノ門法律経済事務所は、全国に支店が存在しており、経験豊富な弁護士が法律相談に対応しております。
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神山 高俊Takatoshi Kamiyama / 群馬県弁護士会所属
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当事務所は1972年の創業から長年の実績をもつ虎ノ門法律経済事務所の高崎支店として、東京本店と連携を行いながら、相談しやすい法律事務所として地域の皆様にに寄り添ってきました。
お陰様で、私自身も、高崎市における弁護士業務を開始してから、10年以上の時間が経ち、その間、個人様、企業様、各種法人様及び行政機関様等、多くの方々からご依頼を受け、問題の解決に当たらせていただいてまいりました。
現在、相続・債務・交通事故の初回相談(対面)は30分無料で対応しております。
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どうぞよろしくお願いいたします。
- 経歴
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- 群馬県出身
- 早稲田大学政治経済学部卒業
- 中央大学法科大学院卒業
- 群馬県弁護士会所属
- 高崎支店 支店長
事務所概要
Office Overview
名称 | 虎ノ門法律経済事務所 高崎支店 |
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代表者 | 神山 高俊(かみやま たかとし) |
所在地 | 〒370-0848 群馬県高崎市鶴見町1番地1 丸三高崎ビル3-E |
連絡先 | TEL:027-386-3415 / FAX:027-386-3420 |
メールアドレス | takasaki@t-leo.com |
対応時間 | 平日9:00~18:00(事前予約で時間外も対応可能です) |
定休日 | 土・日・祝 |
アクセス | JR高崎駅 徒歩5分 |
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